「どうして私だけ、みんなみたいに普通にできないんだろう……」

ずっと、自分の短所ばかりに目が向いて、自分を責めていた時期がありました。

好奇心旺盛ですぐに気が散る、物忘れが多い、プレッシャーでミスを連発する。

HSS型HSPという気質を知り、「個性を活かすことが大事」だと分かって救われたものの、今度は新たな不安が生まれました。

 「個性を活かすって、結局わがままに振る舞うってこと?」

 「欠点を放置していいなんて、ただの開き直りじゃない?」

そんな周囲の批判や自分の中のブレーキに、どう答えればいいのか。

その答えをくれたのが、自己理解の大切さを教えてくれた・八木仁平さんが提唱する「ヨットの法則」でした。

八木仁平氏に学ぶ「ヨットの法則」:帆と船底の役割

八木さんの著書『世界一やさしい「才能」の見つけ方』では、長所短所の向き合い方を「ヨット」に例えています。この比喩が、HSS型HSPの生き方を驚くほどクリアにしてくれます。

八木さんの本はこちら

世界一やさしい「才能」の見つけ方 一生ものの自信が手に入る自己理解メソッド 単行本 – 2023/4/3 八木 仁平 (著)https://amzn.to/3OWhFLh

八木さんはこう書いています。

  • 長所:帆   帆が大きいほど風を受けて進む
  • 短所:底の穴 放置しておくと沈んでしまい、いつか重大な問題になりかねない

私は今まで、船底の穴を塞ぐことばかりに必死で、一度も帆を広げていなかったことに気づきました。

HSS型HSPにとっての「船底(短所)」と「帆(長所)」の正体

ここからは私の所見ですが、自分の特徴を「帆」と「船底」に分けることで、エネルギーの使い道が見えてきます。

船底の穴(平均点を目指すべき短所)

挨拶、約束、最低限の礼儀などは、社会という海で「沈まないため」に必要不可欠です。

挨拶や礼儀は、一度は基礎を学んで、日頃から身につける努力をする。ここはHSS型HSPだからとあきらめず、努力が必要なところです。「完璧」を目指す必要はありません。私の場合、物忘れや緊張によるミスが時々ありますが、メモを取る、一呼吸置くなどの工夫で「日常生活に支障がないレベル」まで整えれば、浸水は防げます。

帆(思い切り伸ばすべき長所)

好奇心、深い共感力、本質を見抜く、繊細さ。これが私たちの「帆」です。

「気が散りやすい」のも、新しい風をキャッチしている証拠。ここを「普通の人」に合わせようとして削ってしまうと、人生を進める力がなくなってしまいます。

「わがまま」という批判に、自信を持って答える3つの視点

「ありのまま」を大切にしようとすると、周囲から「自分勝手だ」と言われるのが怖いですよね。でも、以下の3つの論理的な視点を持っていれば大丈夫です。

  1. 「手抜き」ではなく「戦略的投資」
    「苦手」なことを「得意」に変えるには莫大なエネルギーが必要です。だからまずは平均くらいを目指すこと。その余ったエネルギーは、自分の強みで誰かに貢献するために使う。これはエネルギーをどこに集中させるかという「賢い戦略」なのです。
  2. 礼儀は「自由を守るための鎧」
    挨拶や約束を守る「船底の整備」ができている人には、周囲も安心感を抱きます。土台があるからこそ、自由に帆を広げたとき、周囲はそれを「わがまま」ではなく「個性」として認めてくれるようになります。
  3. 「矯正」ではなく「お手入れ」
    自分を殺す必要はありません。あなたが心地よく目的地へ辿り着くために、必要な「お手入れ」をしてあげる。それは、自分への最高の優しさです。

まとめ:自分という船のキャプテンになろう

「ありのままに生きる」とは、決して自分の欠点を放置して、やりたい放題に振る舞うことではありません。

それは、「自分の強みを信じて思い切り風に乗りながら、同時に自分の弱さを知って、適切にお手入れをしてあげる」ということ。

かつての私のように、「あれもできない」「これも苦手」と、船底の穴ばかりを見つめて動けなくなっているあなたへ。

もし、今のあなたが「欠点ばかりに目が向き、悩んで前に進めない」のなら、一度顔を上げて、あなたが持っている大きな帆(長所)を見つめてみてください。あなたには、人には真似できない、素敵な風を捕まえる才能が必ずあります。

次に、その帆を広げるために、船底の小さな穴をそっと塞ぐことから始めてみませんか? それは自分を型にはめて縛るためではなく、誰よりも遠く、あなたらしい景色を見に行くための、大切な「準備」なのです。

あなたがその大きな帆をいっぱいに広げて、軽やかに波を越えていく姿を楽しみにしています。